“へいけがに”の漢字の書き方と例文
語句割合
平家蟹100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのむこうには首をのばして疾走する馬の頭、次の間との境の欄間のところには平家蟹へいけがにみたいな面が二つ、平家蟹より品がなくて妖気を帯びてるのは蜘蛛くもの精でもあろうか。
胆石 (新字新仮名) / 中勘助(著)
平家蟹へいけがにの殻へ目口をえがきたるものあり、草鞋わらじの片足をくぎづけにしたるもあり、塩鮭しおざけの頭を藁縄わらなわにて貫きてつるせるもあり、そのなんの意たるや解するに苦しむことが多い。
迷信解 (新字新仮名) / 井上円了(著)
平生の志の百分の一も仕遂しとげる事が出来ずに空しくだんうらのほとりに水葬せられて平家蟹へいけがに餌食えじきとなるのだと思うと如何にも残念でたまらぬ。この夜から咯血かっけつの度は一層はげしくなった。
(新字新仮名) / 正岡子規(著)