“ふくじゅそう”の漢字の書き方と例文
語句割合
福寿草100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
マッカリヌプリは毎日紫色に暖かくかすんだ。林の中の雪の叢消むらぎえの間には福寿草ふくじゅそうの茎が先ず緑をつけた。つぐみとしじゅうからとが枯枝をわたってしめやかなささきを伝えはじめた。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
福寿草ふくじゅそうは敏感な花です。最も鋭敏に温度を感ずる野草です。福寿草は残雪のまばらな間からかすかな早春の陽光ようこうをあびて咲き出るのです。そしてとても光に感じ易く、光をあこがれる花なのです。
季節の植物帳 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
父親は今朝猫の額のような畠のかどで、霜解しもどけの土をザクザク踏みながら、白い手を泥だらけにして、しきりに何かしていたが、やがてようやく芽を出し始めた福寿草ふくじゅそうを鉢に植えて床の間に飾った。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)