“ひなわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
火縄75.0%
火繩25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
此奴こいつ容易ならぬ曲者なりと、平林は手早くも玄関の長押なげしに懸けてありました鉄砲へ火縄ひなわはさみ、文治へ筒口を向けましたから、文治は取って押えた両人を玉除たまよけかざ
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「あの、まだ奥に文四郎流の火縄ひなわがあります、高江殿にはあれを持っておいでなさるように」
新保宿にある武田の本営では入り口にさくを結いめぐらし、やり大砲を備え、三百人の銃手がおのおの火繩ひなわを消し、一礼してこの甚七郎を迎え入れた。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
荒い笹刈ささがりにはぶよ藪蚊やぶかを防ぐための火繩ひなわを要し、それも恵那山のすその谷間の方へ一里も二里もの山道を踏まねばならないほど骨の折れる土地柄であるが、多くのものはそれすらいとわなかった。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)