“ひとさじ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一匙75.0%
一匕25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夜中にでも、ちよつとせきが聞えると、どんなに眠くつても、すぐに飛び起きて、シロップを一匙ひとさじ飲ませる……。あの人は、「アリガタウ」つて、そのたんびに、お礼を云ふの。
モノロオグ (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
一匙ひとさじのココアのにほひなつかしくおとなふ身とは知らしたまはじ
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
言いかけて、苦しき息をつけば、駒子は打ち震いつつ一匕ひとさじの赤酒を姉の唇に注ぎぬ。浪子は閉じたる目を開きつつ、見回して
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
昨日歯齦はぐきを切りて膿汁うみじるつひえ出でたるためにや今日は頬のはれも引き、身内の痛みさへ常よりは軽く堪へやすき今日の只今、半杯のココアに牛乳を加へ一匕ひとさじまた一匕
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
しずかなる室内かすかに吐息聞こえて、浪子の唇わずかに動きつ。医は手ずから一匕ひとさじの赤酒を口中に注ぎぬ。長き吐息は再びしずかなる室内に響きて
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)