“ひいらぎ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヒイラギ
語句割合
97.4%
狗骨2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まだ本堂の前のひいらぎも暗い。その時、朝の空気の静かさを破って、澄んだ大鐘の音が起こった。力をこめた松雲のき鳴らす音だ。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「やっぱり、でも、いい部屋だな。さすがに、立派な普請だ。庭の眺めもいい。ひいらぎがあるな。柊のいわれを知っているか」
親友交歓 (新字新仮名) / 太宰治(著)
狗骨ひいらぎ珊瑚珠さんごじゆの様な赤い実を着けて居た。僕は手帳の上へ老人らうじんに記念として名を書かせた。「エス・ブリゲデイエ」と署名して僕に幾度いくたびも声を出して読ませた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
マウパツサンの墓の上には桃葉衛矛まゆみ狗骨ひいらぎとを植ゑ、うしろの碑には名のみを太く書き、碑の前には開いた書物の形をした鋳銅ちうどうの上に生歿のとしだけを記したものが据ゑてあつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)