“はなたちばな”の漢字の書き方と例文
語句割合
花橘100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
初夏には王朝の花橘はなたちばなをしのばせる香が小園に満ち、冬にはトキジクノカクノコノミのように熟れた実が濃緑の葉かげに金色の光を放つ、これが主人自慢の種である。
九年母 (新字新仮名) / 青木正児(著)
同じく。いもが見て後も鳴かなむほとゝぎす、花橘はなたちばなつちに散らしつ。……俺を見ろ! 俺を見ろ、 畜生! おい! おい! おい俺を見ろ! 妹が見て後も鳴かなむ……。
浮標 (新字旧仮名) / 三好十郎(著)
そして菊亭殿きくていどのおくのようすをジッと聞きすましているらしかったが、ひろい大殿作おおとのづくりの内からは、あれきりつづみも人声ももれてはこず、ただ花橘はなたちばなや梅のに、ぬるい夜風がゆらめくのを知った。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)