“にしんば”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
鰊場66.7%
鯡場33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
話にきくと、北海の鰊場にしんばには三角眼の不良鴉が跳梁ちょうりょうしているそうである。子供の頭には乗っかる、突き飛ばす、赤銅色の漁師の腕はすり抜ける、かかあ衆の洗濯物はばたつかす。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
根雪ねゆきになると彼れは妻子を残して木樵きこりに出かけた。マッカリヌプリのふもと払下はらいさげ官林に入りこんで彼れは骨身を惜まず働いた。雪が解けかかると彼れは岩内いわないに出て鰊場にしんばかせぎをした。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
それから彼が、鯡場にしんばの人足となるまでのことなどはもちろん、浩はこの騒ぎさえも知らなかった。
日は輝けり (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
二度目に浩が、索ねて行った時分には、彼は北海道の鯡場にしんば行きの人足の一人となって、親分に連れられ、他の仲間と一緒に、もう雪の降った北のはずれへ旅立ってしまった後であったのである。
日は輝けり (新字新仮名) / 宮本百合子(著)