“てには”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
手爾葉40.0%
天爾波20.0%
弖爾波20.0%
手爾波20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
嬉しさよといわねば感情を現わすあたわざる時にのみ用いたる蕪村の句は、もとよりこの語を無造作に置きたるにあらず。さらに驚くべきは蕪村が一句の結尾に「に」という手爾葉てにはを用いたることなり。
俳人蕪村 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
安政中江戸に行われて、寄場よせばはこれがために雑沓ざっとうした。照葉とは天爾波てにはにわか訛略かりゃくだというのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
恐ろしく早言はやことで、ことばは聞き取れない。土地のなまりの、にいと云う弖爾波てにはが、数珠の数取りの珠のように、単調にしゃべっている詞の間々に、はっきりと聞こえる。東京で、ねえと云うところである。
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
ぞ、や、なり、かなかな、はべる、なんど、手爾波てにはを合わされて助りますかい。……あとで竹永さん、貴下あなたが探りましたね、第一、愛吉が知っていたんだね。……
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)