“すみな”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
住馴85.7%
住慣14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いつか向島にも五、六年住馴すみなれて、今さら変った土地、それも宿場跡などへ行くのは誰も彼も気が進まず、たとえ辺鄙へんぴでも不自由でも、向島に名残なごりが惜しまれるのでした。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
しかし住馴すみなれた親子三人の燈台守は、何の恐れる景色もなく、安らかに住んでいた。
おさなき灯台守 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
可愛さうに、住慣すみなれたところを捨て、義理ある人々を捨て、雪を踏んで逃げて行く時の其心地こゝろもち奈何どんなであつたらう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
台所で焼く魚のにほひは、蔵裏迄も通つて来て、香の煙に交つて、住慣すみなれない丑松の心に一種異様の感想かんじを与へる。仏に物を供へる為か、本堂の方へ通ふ子坊主もあつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
の小屋に飼養かひやしなはれて居る一匹の黒猫、それも父の形見であるからと、しきりに丑松は連帰らうとして見たが、住慣すみなれた場処に就く家畜の習ひとして、離れて行くことを好まない。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)