“じんぜん”の漢字の書き方と例文
語句割合
荏苒100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
由来弘前藩には悪習慣がある。それは事あるごとに、藩論が在府党と在国党とにわかれて、荏苒じんぜん決せざることである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
この冀望たる、余が年来の志望にして、つねに用意せし所なりといえども、その事の大にしてかたきや、未だこれを全うするの歩を始むるを得ず、荏苒じんぜん今日に至れり。
祝東京専門学校之開校 (新字新仮名) / 小野梓(著)
帰朝以来、はじめ予は彼女を見るのおのれの為に忍びず、後は彼女を見るの彼女の為に忍びずして、遂に荏苒じんぜん今日に及べり。明子の明眸めいぼう、猶六年以前の如くなる可きや否や。
開化の殺人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)