“ざくろぐち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
柘榴口86.4%
石榴口13.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
柘榴口ざくろぐちの中の歌祭文うたざいもんにも、めりやすやよしこのの声が加わった。ここにはもちろん、今彼の心に影を落した悠久ゆうきゅうなものの姿は、微塵みじんもない。
戯作三昧 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
半七は柘榴口ざくろぐちへはいって体を湿しめしていると、湯気にとざされていた風呂のなかで、男同士の話し声がきこえた。
半七捕物帳:51 大森の鶏 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
その頃の湯風呂には、旧式の石榴口ざくろぐちと云うものがあって、夜などは湯煙ゆげ濛々もうもうとして内は真っ暗。しかもその風呂が高く出来ているので、男女ともに中途の階段を登ってはいる。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
江戸の名ごりのような石榴口ざくろぐちの残った湯屋はこの町からほど遠くないところにある。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)