“ささめ”の漢字の書き方と例文
語句割合
私語100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
見物席のそこらここらから笑い私語ささめく声が聞えたが、有繋さすがは紅葉である、少しも周章とっちらないで舞台へ来ると、グルリと後ろ向きになって悠然ゆうぜんとして紺足袋を脱いだ。
心からにじみだす自分の声と彼女のいとのふるえとが、一つものに溶け合って、泣きもし、笑いもし、私語ささめきもし、恋以上のあらぬ情慾などはすっぱりと忘れてしまうのだった。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)