“ごふち”の漢字の書き方と例文
語句割合
御扶持100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
天下国家の大きなことをうれうる人には、別に志士という一階級があって、それは殿様から代々御扶持ごふちをいただいて、食うというようないやしいことには別段の心配のなかった者や
おれは下司げすではあるが、御扶持ごふちを戴いてつないだ命はお歴々と変ったことはない。殿様にかわいがって戴いたありがたさも同じことじゃ。それでおれは今腹を切って死ぬるのじゃ。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
昔は水戸様から御扶持ごふちを頂いていた家柄だとかいう棟梁とうりょうせがれに思込まれて、浮名うきなを近所にうたわれた風呂屋の女の何とやらいうのは、白浪物しらなみものにでも出て来そうな旧時代の淫婦であった。
伝通院 (新字新仮名) / 永井荷風(著)