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こがねまる
たしか「少年文学」と称する
叢書があって「
黄金丸」「
今弁慶」「宝の山」「宝の
庫」などというのが魅惑的な
装幀に飾られて続々出版された。
かくて
孤児の
黄金丸は、西東だにまだ知らぬ、
藁の上より牧場なる、
牡丹が
許に養ひ取られ、それより牛の乳を
呑み、牛の小屋にて
生立ちしが。
博文館に入ってから『新桃太郎』や『
猿蟹後日合戦』を書き、『少年文学』の第一巻として『
黄金丸』を発表した頃
背のあたりに金色の毛混りて、
妙なる光を放つにぞ、名をばそのまま
黄金丸と呼びぬ。