“こうしど”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
格子戸98.8%
格子扉1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
砂きしみのする格子戸こうしどをあけて、帯前を整えながら出て来た柔和な細君さいくんと顔を合わせた時は、さすがに懐旧の情が二人の胸を騒がせた。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
或夜あるよ重吉はもう来ないと思った檀那の杉村が突然格子戸こうしどを明ける音に、びっくりして裏口から逃出すと、外は寒い風が吹いている。
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
御堂みどう格子扉こうしどへ、彼は顔をよせてみた。中は漆壺うるしつぼをのぞくようでなにも見えない。ガラリッと、彼の手から扉を引く音がひびくと、犬は、尾を振って、小次郎の足もとへおどって来た。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
丹左は先へ御堂の縁へ上がって、格子扉こうしどを押しあけ、そこから手招きをしたが朱実はためらって、彼の好意に従ったものか、ほかへ行って独りで寝場所をさがしたものか、迷っている様子に見える。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)