“くぎだな”の漢字の書き方と例文
語句割合
釘店100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
細い釘店くぎだなの往来は場所がらだけに門並かどなみきれいに掃除されて、打ち水をした上を、気のきいた風体ふうていの男女が忙しそうにしていた。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
良人を釘店くぎだなのだだっ広い住宅にたった一人ひとり残したまま、葉子ともに三人の娘を連れて、親佐は仙台せんだいに立ちのいてしまった。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
須田町すだちょうに出た時、愛子の車は日本橋の通りをまっすぐに一足ひとあし先に病院に行かして、葉子は外濠そとぼりに沿うた道を日本銀行からしばらく行く釘店くぎだな横丁よこちょうに曲がらせた。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
間遠まどおに日本橋を渡る鉄道馬車の音が聞こえるばかりで、釘店くぎだなの人通りは寂しいほどまばらになっていた。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
まだ釘店くぎだなの家の留守番をしていた葉子の叔母おばの所を尋ねてその考えを尋ねてみようとしたところが、叔母は古藤の立場がどちらに同情を持っているか知れないので
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)