“きんボタン”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
金釦78.3%
金鈕21.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
見るときに触るるときに、黒い制服を着た、金釦きんボタンの学生の、姿を、私の意識中に現象としてあらわしきたると云うまでに過ぎないのであります。
文芸の哲学的基礎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「ねえ、明日帰つたら、私、洋服屋へ行くンだけど、あんたも行つてみてくンないかなア……。真紅まつかなスーツで、金釦きんボタンをつけて貰つたンだよ」
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
それは金鈕きんボタンの制服を着た二十二三の青年だった。僕は黙ってこの青年を見つめ、彼の鼻の左のわき黒子ほくろのあることを発見した。彼は帽を脱いだまま、ず怯ずこう僕に話しかけた。
歯車 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
それは金鈕きんボタンの制服を着た二十二三の青年だつた。僕は黙つてこの青年を見つめ、彼の鼻の左のわき黒子ほくろのあることを発見した。彼は帽を脱いだまま、づ怯づかう僕に話しかけた。
歯車 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)