“かつみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
克巳66.7%
勝美33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのよく日、町の子の克巳かつみは、なすや、きゅうりや、すいかを、どっさりおみやげにもらって、町の家に帰っていったのでした。
いぼ (新字新仮名) / 新美南吉(著)
この兄弟の家へ、町から、いとこの克巳かつみが遊びにきたのは、きょ年の夏休みのことでした。克巳は、松吉と同い年の、小学校五年生でした。
いぼ (新字新仮名) / 新美南吉(著)
小平さんは、きょうは親方おやかたもおかみさんも、金光教こんこうきょうのなんとやらへいっていない、克巳かつみちゃんもまだ学校から帰ってこない、といいました。
いぼ (新字新仮名) / 新美南吉(著)
この兄弟の家へ、町から、いとこの克巳かつみが遊びに来たのは、去年の夏休みのことでした。克巳は、松吉と同い年の、国民初等科五年生でした。
(新字旧仮名) / 新美南吉(著)
その頃私は芝居へ行く時は、必ず眼鏡オペラグラスを持って行ったので、勝美かつみ夫人もそのまる硝子ガラスの中に、燃え立つような掛毛氈かけもうせんを前にして、始めて姿を見せたのです。
開化の良人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
私は息苦しい一瞬の後、今日も薔薇を髪にさした勝美かつみ夫人をひややかに眺めながら、やはり無言のまま会釈えしゃくをして、匇々そうそうくるまの待たせてある玄関の方へ急ぎました。
開化の良人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
すると三浦は例の通り、薔薇ばらの花束を持った勝美かつみ夫人の額の下に坐りながら、『ひどく君はあの男が嫌いじゃないか。』と、たしなめるような声で云うのです。
開化の良人 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)