“おおざつま”の漢字の書き方と例文
語句割合
大薩摩100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大薩摩おおざつまを聞く事を喜ぶのは、古きものの中にも知らず知らず浸み込んだ新しい病毒に、遠からず古きもの全体が腐って倒れてしまいそうな、その遣瀬やるせない無常の真理を悟り得るがためである。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
足のうらがくすぐってえ、といった陽気でいながら、やり、穂高、大天井、やけにやけヶ嶽などという、大薩摩おおざつまでものすごいのが、雲の上にかさなって、天に、大波を立てている、……裏の峰が
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
からかさを拡げて大きく肩にかけたのが、伊達だてに行届いた姿見よがしに、大薩摩おおざつまで押してくと、すぼめて、軽く手に提げたのは、しょんぼり濡れたもいものを、と小唄で澄まして来る。
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)