“いわぶち”の漢字の書き方と例文
語句割合
岩淵100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
後は実力の如何いかんである。疾風の迅さで、彼の兵はすでに、但馬たじまに入り、山口、岩淵いわぶち、また竹田城を落していた。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
岩淵いわぶちの辺甘蔗畑かんしょばたけ多くあり。折から畑に入るゝ肥料なるべし異様のかおり鼻を突きて静岡にて求めし弁当開ける人の胸悪くせしも可笑しかりける。沼津を過ぐれども雨雲ふさがりて富士も見えず。
東上記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
岩淵いわぶち渡場わたしば手前に、姉のせがれが、女房持で水呑百姓をいたしておりまして、しがない身上みのうえではありまするけれど、気立のい深切ものでございますから、私もあてにはしないで心頼りと思うております。
政談十二社 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)