“いっちょうら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一張羅78.8%
一帳羅21.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
挨拶あいさつした婆さんに抱いていた子供を預けると、お君は一張羅いっちょうらの小浜縮緬の羽織も脱がず、ぱたぱたとそこらじゅうはたきをかけはじめた。
(新字新仮名) / 織田作之助(著)
一張羅いっちょうらの晴着に空模様ばかり気にしては花見の興も薄かるべし。日の暮るるも知らで遊び歩くは不断着の尻端折しりはしょりにしくぞなき。
桑中喜語 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
まだ暗いうちに一帳羅いっちょうらのフロックコートを着て、金鎖きんぐさり胸高むなだかにかけて、玄関口に寄せかけた新調の自転車をながめながら、ニコニコ然と朝飯の膳に坐ったが
いなか、の、じけん (新字新仮名) / 夢野久作(著)
正月の七草ななくさのすんだころ、克子はまだ正月気分が忘れられなかったのか、お母さんの知らぬまに一帳羅いっちょうらの洋服を着て出ていき、大きな鉤裂かぎざきをこしらえてもどってきた。
赤いステッキ (新字新仮名) / 壺井栄(著)