“あわたぐち”の漢字の書き方と例文
語句割合
粟田口100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
芸題は『大経師だいきょうじ昔暦むかしごよみ』と云って、京の人々の、記憶にはまだ新しい室町むろまち通の大経師の女房おさんが、手代てだい茂右衛門もえもんと不義をして、粟田口あわたぐちに刑死するまでの、のろわれた命懸けの恋の狂言であった。
藤十郎の恋 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「いずれ人はいるだろうさ。これほどの大きな屋敷の中に、人のいない筈はない。が、おれは大丈夫だ。五人十人かかって来たところで、粟田口あわたぐちがものをいう。斬って捨てるに手間ひまはいらぬ」
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
岡崎から粟田口あわたぐちへ——そして街道を一すじに登って蹴上けあげの坂にかかるころは、もう、道路のかきも、樹々の間も、人間で埋まっていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)