“あやせ”の漢字の書き方と例文
語句割合
綾瀬100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
久野は舵のところから「うん」と曖昧あいまいな返辞をしながら、かねふちから綾瀬あやせ川口一帯の広い川幅を恍惚こうこつと見守っていた。いろいろな船が眼前を横ぎる。白い短艇が向うをすべる。
競漕 (新字新仮名) / 久米正雄(著)
かねふちから綾瀬あやせを越して千住まで通うのは、人力車でもかなり時間がかかる上に、雨や風の日には道も案じられるので、やがてお邸の諒解りょうかいを得て、引移ることになったのです。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
そうだろう。——しかし寒いのに夜る起きるのはよくないぜ。僕は冬の月はきらいだ。月は夏がいい。夏のいい月夜に屋根舟に乗って、隅田川から綾瀬あやせの方へがして行って銀扇ぎんせん
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)