“銀扇”の読み方と例文
読み方割合
ぎんせん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
屋根船を綾瀬川あやせがわまでのぼせて、静かな月と静かな波の映り合う真中に立って、用意してある銀扇ぎんせんを開いたまま、夜の光の遠くへ投げるのだと云うじゃありませんか。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
賑やかな囃子につれて、燕女の手には銀扇ぎんせんがさつと開かれ、手振り面白く舞ひ始めました。
そうだろう。——しかし寒いのに夜る起きるのはよくないぜ。僕は冬の月はきらいだ。月は夏がいい。夏のいい月夜に屋根舟に乗って、隅田川から綾瀬あやせの方へがして行って銀扇ぎんせん
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)