“あまずら”の漢字の書き方と例文
語句割合
甘葛100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「何かお慰みにと、初春はるくさなど探させました。甘味は干柿の粉を掻き溜めたもの。甘葛あまずらとはまた風味もかくべつ違いますので」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
尿にょうのように見えた液体は、丁子を煮出した汁であるらしく、糞のように見えた固形物は、野老ところ合薫物あわせたきもの甘葛あまずらの汁で煉り固めて、大きな筆の𣠽つかに入れて押し出したものらしいのであったが
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
それは為定の家で茶菓子に出た粉熟ふずくであったが、甘葛あまずらと餅で作った美しい五色の菓子は、彼がまだ手を合せているうちから、そこらにいた貧しげなわっぱたちが
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それに、その白い粉を竹ベラで掻き溜めたものは——まだ砂糖などということばもないが——砂糖代りの上菓子に用いられ、蜂蜜や甘葛あまずらなどより、はるか貴重な食品となる。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)