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ささい
ふりがな文庫
“
瑣細
(
ささい
)” の例文
躬恒のは
瑣細
(
ささい
)
な事を
矢鱈
(
やたら
)
に仰山に述べたのみなれば無趣味なれども家持のは全く無い事を空想で現はして見せたる故面白く被感候。
歌よみに与ふる書
(旧字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
只興奮しているために、
瑣細
(
ささい
)
な事にも腹を立てる。又何事もないと、わざわざ人を
挑
(
いど
)
んで
詞尻
(
ことばじり
)
を取って、
怒
(
いかり
)
の動機を作る。
護持院原の敵討
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
始よりその人を怪まざらんにはこの
咎
(
とが
)
むるに足らぬ
瑣細
(
ささい
)
の事も、大いなる
糢糊
(
もこ
)
の影を
作
(
な
)
して、いよいよ彼が
疑
(
うたがひ
)
の
眼
(
まなこ
)
を
遮
(
さへぎ
)
り
来
(
きた
)
らんとするなりけり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
その
瑣細
(
ささい
)
な
道理
(
だうり
)
と
云
(
い
)
ふのは
例
(
たと
)
へば、
眞赤
(
まツか
)
に
燒
(
や
)
けた
火箸
(
ひばし
)
を
長
(
なが
)
い
間
(
あひだ
)
持
(
も
)
つてると
火傷
(
やけど
)
するとか、
又
(
また
)
は
指
(
ゆび
)
を
小刀
(
ナイフ
)
で
極
(
ごく
)
深
(
ふか
)
く
切
(
き
)
ると
何時
(
いつ
)
でも
血
(
ち
)
が
出
(
で
)
るとか
云
(
い
)
ふことです。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
世の中のことというものはなかなかうまくゆかないものであって、運命の神のいたずらとでも云おうか偶然が作った
極
(
ご
)
く
瑣細
(
ささい
)
な出来ごとから、その年の十月
流線間諜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
瑣細
(
ささい
)
な事のようだが、心理論理の学論より政治外交の宣伝を
為
(
な
)
すにこの辺の注意が最も必要で、回教徒に
輪廻
(
りんね
)
を説いたり、米人に忠孝を誇ってもちっとも通ぜぬ。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
大家の秘密は形式によって内容を滅却するにあるとシルレルがいったように、秀れた魂はいかに
瑣細
(
ささい
)
に見える事柄にも深い意味を見出すふしぎな力をもっておる。
語られざる哲学
(新字新仮名)
/
三木清
(著)
瑣細
(
ささい
)
な心持ではありますが、改まった客席にこういうことのあるのはいい心持のしないものであります。
俳句とはどんなものか
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
そして人間の歴史が、そういう
瑣細
(
ささい
)
な盲点のために著しく左右されるようなこともありそうである。
立春の卵
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
こうして、その出世は眼前にある時、彼は
瑣細
(
ささい
)
のことから激しく立腹して、かの家僕を
撲
(
ぶ
)
ち殺した。
中国怪奇小説集:15 池北偶談(清)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
もし、見聞を広くし、経験を重ねたる人ならば、そんなに妖怪が
瑣細
(
ささい
)
のことにまであるべき道理なく、なにか他にしかるべき原因のあることと思っておればよいのである。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
瑣細
(
ささい
)
な凶事が
起
(
おこ
)
る時などは、
丸
(
まる
)
で何か爪の先で
爬
(
か
)
く様な微かな音がする、他人がもし
傍
(
はた
)
に
居
(
お
)
ればその人にも聞えるそうだ、私はこういう仕事をしているから、もしそういう
響
(
ひびき
)
を聞けば
頭上の響
(新字新仮名)
/
北村四海
(著)
御意
(
ぎょい
)
に
叶
(
かな
)
わぬとなると
瑣細
(
ささい
)
の事にまで眼を
剥出
(
むきだ
)
して御立腹遊ばす、言わば自由主義の圧制家という御方だから、哀れや属官の人々は
御機嫌
(
ごきげん
)
の取様に
迷
(
まごつ
)
いてウロウロする中に、独り昇は
迷
(
まごつ
)
かぬ。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
僕の心臓は
瑣細
(
ささい
)
な事にあつても氷のさはつたやうにひやひやとしてゐる。
闇中問答
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
躬恒のは
瑣細
(
ささい
)
な事をやたらに仰山に述べたのみなれば無趣味なれども、
家持
(
やかもち
)
のは全くない事を空想で現はして見せたる故面白く
被感
(
かんぜられ
)
候。
歌よみに与ふる書
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
そう云ふ風に忠之と下役のものとが、直に取り計らふ件々は、最初どうでも好いやうな、
瑣細
(
ささい
)
な事ばかりであつたが、それがいつの間にか
稍
(
やゝ
)
大きい事に及んで來た。
栗山大膳
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
しかし毛の締め方の研究では、学位は貰えないので、短年月のうちに、とにかく論文を書いてという場合には、どうしても、そういう「
瑣細
(
ささい
)
な点」に拘泥してはおられない。
科学は役に立つか
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
殊にこの年の正月、
木挽町
(
こびきちょう
)
の
山村座
(
やまむらざ
)
の木戸前で、水野の白柄組と
幡随長兵衛
(
ばんずいちょうべえ
)
の身内の町奴どもと、
瑣細
(
ささい
)
のことから衝突を来したのが根となって、互いの意趣がいよいよ深くなった。
番町皿屋敷
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
『
否
(
いゝ
)
え、
先
(
ま
)
ァ
見
(
み
)
てから、
其上
(
そのうへ
)
「
毒
(
どく
)
」か
毒
(
どく
)
でないかを
確
(
たし
)
かめなくては』と
云
(
い
)
ひました、それと
云
(
い
)
ふのも
愛
(
あい
)
ちやんが、
友達
(
ともだち
)
から
教
(
をし
)
へられた
瑣細
(
ささい
)
な
道理
(
だうり
)
を
憶
(
おぼ
)
えて
居
(
ゐ
)
なかつたため、
野獸
(
やじう
)
に
食
(
く
)
ひ
殺
(
ころ
)
されたり
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
躬恒のは
瑣細
(
ささい
)
なことをやたらに
仰山
(
ぎょうさん
)
に述べたのみなれば無趣味なれども、
家持
(
やかもち
)
のは全くないことを空想で現わしてみせたるゆえ面白く
被感
(
かんぜられ
)
候。
歌よみに与ふる書
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
水晶管に針金を封じ込むことは、真空技術一般からみれば、ほんの
瑣細
(
ささい
)
なことである。
実験室の記憶
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
「
Tout
ツウ
ce
(
シヨ
)
qui
(
キイ
)
brille
(
ブリユ
)
,
n'est
ネエ
pas or
(
パアゾオル
)
」と云ったので、始てなる程と悟った事や、それからベルリンに著いた当時の印象を
瑣細
(
ささい
)
な事まで書いてあって
かのように
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
献酬の風習などは、
瑣細
(
ささい
)
なことであるが、問題はその基調をなしている合理的精神の欠如である。こういう風潮が社会を支配している国では、待合政治はいつまでも無くならないであろう。
無知
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
瑣
漢検1級
部首:⽟
14画
細
常用漢字
小2
部首:⽷
11画
“瑣”で始まる語句
瑣末
瑣事
瑣々
瑣談
瑣児肝失喇
瑣
瑣小
瑣骨
瑣尾
瑣戯