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違
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ちげ
ふりがな文庫
“
違
(
ちげ
)” の例文
「なるほど少し筋になりそうだな。足を出したんなら、幽霊が殺されて人間になったには
違
(
ちげ
)
えねえ。一体その幽霊は誰だったんだ」
銭形平次捕物控:093 百物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
こりゃア神様のお引合せに
違
(
ちげ
)
え
無
(
ね
)
え、何うも大きく成りやアがったなア
此畜生
(
こんちきしょう
)
、
幼
(
ちい
)
せえ時分別れて知れやアしねえ、本当に藤屋の娘か
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
手前なんぞは横町の黒や斑と大した
違
(
ちげ
)
えがあるものか。黒や斑はおれの顏をみると、
尻
(
し
)
つ
尾
(
ぽ
)
をふつて來るだけも可愛らしいや。
権三と助十
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「なに、もうすぐぶっ倒れちまうに
違
(
ちげ
)
えねえ。もうやがておしめえだよ、皆の衆!」と群衆の中から一人の
弥次馬
(
やじうま
)
が言った。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
どっちも生死の境だからこうなったには
違
(
ちげ
)
えねえが、何とか
捌
(
さば
)
きはつかねえものか、両方ともに生きたいがために水が欲しいんだ、それだのに
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
それで奴さん、頭から冷水でもぶつかけられたやうに、ぞうつとしたちふこつた。またしても、あの⦅赤い
長上衣
(
スヰートカ
)
⦆がとびだすに
違
(
ちげ
)
えねえだよ!
ディカーニカ近郷夜話 前篇:03 ソロチンツイの定期市
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「だってあの
御気色
(
みけしき
)
を
御覧
(
ごろう
)
じろ、きっとあれだ、
違
(
ちげ
)
えねえね、八丁堀で
花札
(
ふだ
)
が走った上に、怨み重なる
支那
(
チャンチャン
)
と来ちゃあ、こりゃ
奢
(
おご
)
られッこなし。」
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「とぼけちゃいけねえ。
人間
(
にんげん
)
を
人形
(
にんぎょう
)
と
見違
(
みちが
)
える
程
(
ほど
)
、
鬼
(
おに
)
七ァまだ
耄碌
(
もうろく
)
しちゃァいねえよ。ありゃァ
菊之丞
(
きくのじょう
)
に
違
(
ちげ
)
えあるめえ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
『義務は義務だ。』って
奴
(
やっこ
)
さんはよく言う。またそれにゃあ
違
(
ちげ
)
えねえ。お前もうあの船長に近よらねえようにしろよ。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
「全くこれに
違
(
ちげ
)
えねえ。」と嘉吉は読み終つて
頻
(
しき
)
りに感心した。然し丸田はそれにさへ今日は気のりがしなかつた。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
「蔦の奴だ。蔦の奴は、お嬢さまに手向かったに
違
(
ちげ
)
えねえ。そんで、お嬢さまに鉄砲で撃ち倒されたのに違えねえ」
恐怖城
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
ここで何度も何度もテニスを遣って、ドンナ大きな声を出しても、ほかに聞こえない事をチャンと知っている奴が、思い付いた事に
違
(
ちげ
)
えねえじゃねえか。
オンチ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
今のは
半襟
(
はんえり
)
の間違いだろう。——なに、人形の首だッさ。——
違
(
ちげ
)
えねえ。またしても口を
揃
(
そろ
)
えて高笑い。——あんまりだから、いい! とお勢は膨れる。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「これに見覚えがあらうがッ。お主の物だらうッ。いくら地蔵さまみてェに澄ましてをつたとて、つまりはお主は、煙草吸ひの昼とんびに
違
(
ちげ
)
ェなからう。」
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
「
姐御
(
あねご
)
はやっぱり、眼が
高
(
たけ
)
えぜ。
代物
(
しろもの
)
は、ボール函包みの中だア、
絶対
(
ぜってえ
)
間
違
(
ちげ
)
えはねえ。もう袋の中の
鼠
(
ねずみ
)
だア」
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
新九郎さまの御一念が、天に通じたというものか、今日、
麓
(
ふもと
)
の立場から乗せた侍が、どうもかねてお話に聞いていた奴に
違
(
ちげ
)
えねえと思って、今この上で当りを
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そんだが
勘次
(
かんじ
)
さんは
本當
(
ほんたう
)
に
若
(
わ
)
けえな。
俺
(
お
)
ら
家
(
ぢ
)
のおとつゝあ
等
(
ら
)
たあ、たえした
違
(
ちげ
)
えだな」といつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「そうには
違
(
ちげ
)
えねえ。——いくら何だって土地の氏神の消えてなくなるわけはねえだろうから。」
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
どうも旦那、お
出
(
で
)
になるかならないかあやふやだったけれども、あっしゃあ舟を持って来ておりました。この雨はもう
直
(
じき
)
あがるに
違
(
ちげ
)
えねえのですから参りました。
御伴
(
おとも
)
を
幻談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
いんにゃ文だ。文に
違
(
ちげ
)
えねえ。すると——こうっと——何だか、
行
(
い
)
きさつが少し変だぜ。うん、そうか、やっぱりそうか。するてえと
奴
(
やっこ
)
さん、驚ろいちまってからに……
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
『兄貴はきっとおれの声まで、
攫
(
さら
)
って行ったに
違
(
ちげ
)
えねえ。だからそんなにうめえのだ』とね。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
やや斜に拡げて弥助と
見較
(
みくら
)
べ「こつちを向いて見ろ」といひ、絵姿を拡げしまま右手の方へ廻して見較べ「これに
違
(
ちげ
)
えねえ」といひて、絵姿を思はず前の方へ持つて来て、慌てて後へ廻し
いがみの権太:(明治二十九年一月、明治座)
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
「そうですよ。お高さんが本人であることに
違
(
ちげ
)
えはねえのです。わっしも、金剛寺の一空さまも、それはよくわかっているのですが、生きた証人がねえことには何も口をきくものがねえのです」
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「そいつあお
前
(
めえ
)
のためにゃよくあるめえぜ、ジェリー。ジェリー、お
前
(
めえ
)
は実直な商売人なんだからな、そいつあお前の商売にゃ向くめえよ! よみが——! うん、旦那は一杯飲んで酔っ払ってたに
違
(
ちげ
)
えねえや!」
二都物語:01 上巻
(新字新仮名)
/
チャールズ・ディケンズ
(著)
「
違
(
ちげ
)
えねえ、そいつも食いつけらあ」
三悪人物語:忍術千一夜 第二話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「
違
(
ちげ
)
えねえ、
飴
(
あめ
)
の中からお多福さんが出たよだ——さあさあ、これなる唐茄子から何が出ますか
代価
(
だい
)
は見てのおもどり——ハッ来た、とくりゃあたいしたものだが、文福茶釜じゃあるめえし、鍋に入れたからって踊りだしゃあしまい。」
旧聞日本橋:12 チンコッきり
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「ア、
違
(
ちげ
)
えねえ、狸だ」
小説 円朝
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
新「
何
(
ど
)
うも、な
何
(
なん
)
だってそれは、何うも、エおい
兄
(
あんに
)
い外の事と違って大恩人だもの、何ういう訳で思い
違
(
ちげ
)
えて
其様
(
そん
)
な事を、え、おい
兄
(
あんに
)
い」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「テニハの合わない殺しがあったら、そう思え。与母吉でなきゃア、女三人のうち、誰かが下手人を知っているに
違
(
ちげ
)
えねえ」
銭形平次捕物控:047 どんど焼き
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
彌作
違
(
ちげ
)
えねえ。坂田の何とかいふ奴と一緒になつて、その白柄をひねくり𢌞したのを、俺あちやんと覚えてゐるんだ。
番町皿屋敷
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その
万人
(
まんにん
)
が
万人
(
まんにん
)
、
好
(
す
)
きで
好
(
す
)
きでたまらねえ
女
(
おんな
)
の、これが
本当
(
ほんとう
)
の
匂
(
におい
)
だろうじゃねえか。
成
(
な
)
る
程
(
ほど
)
、
肌
(
はだ
)
の
匂
(
におい
)
もある。
髪
(
かみ
)
の
匂
(
におい
)
もある。
乳
(
ちち
)
の
匂
(
におい
)
もあるにァ
違
(
ちげ
)
えねえ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
これもお
前
(
めえ
)
を尊敬してるからのことだぜ、——尊敬だぞ、
違
(
ちげ
)
えねえぜ! もしお前が好きでなけりゃあ
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
「たしかにあいつだ!
違
(
ちげ
)
えねい!
阿女
(
あま
)
め、あんな所を、いけしゃアしゃアと通っていやがる。見ていろよ。今、この宅助が、首ッ根っこを捕まえてくれるから」
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
旦那
(
だんな
)
様来やしたぜ、いよいよ来やしたぜ……
昨夜
(
よんべ
)
お
逢
(
あ
)
いになったのは、あの辺と
違
(
ちげ
)
えやすかね?」
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
で、先棒がいう事には、何も男の所まで、担いで行くにゃああたるめえ、大の男が二人まで、ここに揃っているのだからな。なるほど
縹緻
(
きりょう
)
は悪かろう、肌だって荒いに
違
(
ちげ
)
えねえ。
銅銭会事変
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「そんだがお
内儀
(
かみ
)
さんさうえ
錢
(
ぜに
)
は
自分
(
じぶん
)
のげ
役
(
やく
)
に
立
(
た
)
てせえしなけりやどうしても
違
(
ちげ
)
えあんすべえね」
勘次
(
かんじ
)
は
内儀
(
かみ
)
さんに
分
(
わか
)
つても
分
(
わか
)
らなくても、そんなことを
考
(
かんが
)
へる
餘裕
(
よゆう
)
がなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「清次郎の野郎だ。清次郎の野郎の
悪戯
(
いたずら
)
に
違
(
ちげ
)
えねえ。よしっ!
煮干
(
にぼし
)
を持って来い。」
或る部落の五つの話
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
一体十九日の紛失一件は、どうも
廓
(
くるわ
)
にこだわってるに
違
(
ちげ
)
えねえ。
祟
(
たた
)
るのは
妓衆
(
こどもし
)
なんだからね、
少姐
(
ねえさん
)
なんざ、
遊女
(
おいらん
)
じゃあなし、しかも
廓内
(
くるわうち
)
に居るんじゃあねえから構うめえと思ってよ。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「フウン。そういえば理窟がわかるような気もする。女ならS・O・Sに
違
(
ちげ
)
えねえ」
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「これだ。まつたくこれに
違
(
ちげ
)
えねえや。」と嘉吉は読み終つて
昂然
(
かうぜん
)
となつた。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
ご
道理
(
もっとも
)
千万
(
せんばん
)
に
違
(
ちげ
)
えねえ、これから売るものア
汝
(
てめえ
)
の
身体
(
からだ
)
より他にゃあ
無
(
ね
)
えんだ。
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「そうよ、そりゃ
寺限
(
てらぎり
)
で
留
(
とま
)
りっこねえ訳だ。どっかへ行くに
違
(
ちげ
)
えねえ」
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「きッと、留守に、菱川から何とかいって来ているに
違
(
ちげ
)
えねえ。」
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
「ははははは、そういえば、まあ、それに
違
(
ちげ
)
えはねえのだが——」
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「
違
(
ちげ
)
えねえ、こいつは一本参った」
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
此奴
(
こいつ
)
ア成程姐さんの云う通り
何
(
なん
)
でも
彼奴
(
あいつ
)
は
良
(
い
)
い旦那どりをしてこっそり金を呉れる奴が有るに
違
(
ちげ
)
えねえ、
彼様
(
あん
)
なけちな千代紙で貼った糸屑を
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
銭形の
兄哥
(
あにい
)
、——こういう始末だ。溝口屋は確かに人手に掛って殺されたに
違
(
ちげ
)
えねえが、締めきった奥の部屋へ、
鼠
(
ねずみ
)
一匹入った様子はないのだ。
銭形平次捕物控:136 鐘五郎の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「船底潜らせだと?
大層
(
てえそう
)
お似合なこったよ。
違
(
ちげ
)
えねえや。元んとこへ戻れ、トムの
間抜
(
まぬけ
)
野郎め。」
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
それに
違
(
ちげ
)
えねえやな。でえいち、
外
(
ほか
)
にあんな
匂
(
におい
)
をさせる
家業
(
かぎょう
)
が、ある
筈
(
はず
)
はなかろうじゃねえか。
雪駄
(
せった
)
の
皮
(
かわ
)
を、
鍋
(
なべ
)
で
煮
(
に
)
るんだ。
軟
(
やわ
)
らかにして、
針
(
はり
)
の
通
(
とお
)
りがよくなるようによ
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
「でも、まあ、よく訪ねておいでになりました。これでお嬢様二人も、お泛ばれになりやすでしょう。それで、お二人で喜んで、そこまで送っておいでになったに
違
(
ちげ
)
えごぜいません」
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
違
常用漢字
中学
部首:⾡
13画
“違”を含む語句
間違
相違
筋違
心得違
斜違
見違
差違
気違
人違
大違
行違
擦違
入違
仲違
思違
筋違橋
聞違
違背
門違
疳違
...