“擦違”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すれちが75.0%
すりちが10.0%
すれちがい5.0%
すれちがっ5.0%
すれちご5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
女は、帯にも突込つっこまず、一枚たなそこに入れたまま、黙って、一帆に擦違すれちがって、角の擬宝珠ぎぼしゅを廻って、本堂正面の階段の方へ見えなくなる。
妖術 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
すると、女は首をすくめて、ペロリと舌を出して私の顔を見た。何の意味か私には分らなかった。擦違すりちがうと、干鯣ほしするめのような匂のする女だ。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
風はどこからか二筋にれて来たのが、急に擦違すれちがいになってうなるような怪しい音を立てて、また虚空遥こくうはるかのぼるごとくに見えた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
所が先方あっちの奴も抜かん、此方こっち勿論もちろん抜かん、所で擦違すれちがったから、それを拍子に私はドン/\逃げた。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
それでも世界中が親類と思うて、西洋人いじんの世話までしてみましたが、誰でもかねの話だけが親類で、他事あと途中みち擦違すれちごうても知らん顔です。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)