“逡巡”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しゅんじゅん51.0%
ためら17.0%
しりごみ13.1%
しゆんじゆん3.9%
しりご2.6%
たじろ2.0%
ためらい2.0%
もぢ/\1.3%
たじたじ1.3%
ぐづ/″\0.7%
あとじさ0.7%
あとじさり0.7%
あとずさ0.7%
あとずさり0.7%
あとびさり0.7%
うぢうぢ0.7%
ぐつ/\0.7%
へどもど0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
羞恥とか逡巡しゅんじゅんとかいう感情は微塵みじんもなく、人前であろうとなんであろうと遠慮なく極端な愛情を流露させるというやりかたなのです。
ハムレット (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
今迄いままで小六ころくついて、夫程それほど注意ちゆういはらつてゐなかつた宗助そうすけは、突然とつぜんこのとひつて、すぐ、「何故なぜ」とかへした。御米およねはしばらく逡巡ためらつたすゑ
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
いよいよ薄気味が悪くなって、侍女どもは思わず逡巡しりごみすると、中間は主人のおん大事というように姫を囲って彼の前に立ちはだかった。
小坂部姫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
寶鼎はうてい金虎きんこそんし、芝田しでん白鴉はくあやしなふ。一瓢いつぺう造化ざうくわざうし、三尺さんじやく妖邪えうじやり、逡巡しゆんじゆんさけつくることをかいし、また頃刻けいこくはなひらかしむ。
花間文字 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
うち出して会おうとするには、すでに胸中見透されている気がして逡巡しりごまれた。ぎかくるは伯母のまにまにである。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ここで逡巡たじろいだりして、老人に見放されては大変だと思ったので、言わるるままに、両手両足とを使い向いあった壁の間に自分の身体を橋渡しした。
深夜の市長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
『類函』に虎能く人気を識る、いまだ百歩に至らざるに伏してゆれば声山谷に震う、須臾しばらくして奮い躍りて人をつ、人勇ある者動かざれば虎止って坐り逡巡ためらい耳をれて去ると。
しなやうやあきなひおぼえたといつてたのはまだなつころからである。はじめはきまりがわるくて他人たにんしきゐまたぐのを逡巡もぢ/\してた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
吉原なかで大尽遊びをして来たと景気のいい嘘言うそを吐こうと思った勘次は、これでいささか出鼻を挫かれた形で逡巡たじたじとなった。
逡巡ぐづ/″\してゐずにあいちやんはかぜのやうにはしりました、うさぎかどまがらうとしたときに、『あれッ、わはしみゝひげうしたんだらう、おそいこと』とふのをきました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
ですからその子供が大臣の前に出て来るとぶるぶるふるえてから、もう今にもぶん擲ぐられはせぬかといつも逡巡あとじさりをして居るです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
と云われてお柳はあっと驚き、忽ちに色蒼ざめてぶる/\ふるえながら、逡巡あとじさりして幸兵衛の背後うしろへ身を潜めようとする。幸兵衛も血相を変え、少し声を角立てまして
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
と泣声も絶え/″\になりましたが、遠くに立って居ります者も、相手が侍で屋敷の前でございますから、逡巡あとずさりをして唯騒いでいるのみでございます。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
戸を開けて入つて来たのは丑松で、入るや否や思はず一歩ひとあし逡巡あとずさりした。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
と云われてお村はが悪いから真赤になって、猫が紙袋かんぶくろかぶったように逡巡あとびさりにして、こそ/\と台所から抜出して仕舞いましたが、さアもう文治郎の所へくことは出来ません。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そして何時ものやうに上眼遣うはめづかひでヂロリ/\學生の顏を睨𢌞ねめまはして突ツ立ツてゐるのであるから、學生等は、畏縮といふよりはいさゝか辟易のてい逡巡うぢうぢしてゐる。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
「へえ、何處どこまでつてくんでがせう」勘次かんじ逡巡ぐつ/\してる。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「巡査にお引渡しは恐れ入る。私は本気なんです。」と逡巡へどもどする。「おとしは?」と婦人が訊くと、将軍が「五十二です」と答へる。すると娘の方から