いふ)” の例文
ヨスエの名いはるゝや、我は忽ち一の光の十字架を傳ひて動くを見たり、げにいふなすといづれの先なりしやを知らず 三七—三九
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
あげ何卒なにとぞゆるしてたべわたしは源次郎といふをつとのある身金子が入なら夫より必ずお前にまゐらせん何卒我家へ回してと泣々なく/\わびるを一向聞ず彼の雲助くもすけは眼を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
沢山たくさん義揖ぎえんを御承諾下ださいましたので、京阪地方の富豪を説くにも誠に好都合になりましたさうで、我国でのモルガン、ロックフェラアといふべきであらうなど
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
さて狐く氷をきくいふ事、酉陽雑俎いうやうざつそに見ゆ。こは本朝にても今猶諏訪すは湖水こすゐは狐わたりしをて人わたりはじむ、和漢わかん相同じ。狐の火をせつはさま/″\あれどみなうけがたし。
阪井 ——今になつて君等はそういふんだ。——俺の気持がこんなに押しつぶれつちまつてから。——ぢや言はう、この前の時も俺達は負けた。あん時、俺はたつた一人の妹を取られた。
疵だらけのお秋 (新字旧仮名) / 三好十郎(著)
馬車は行き過ぎてその事かなはず、彼少女が窻の外におもしろき花の咲けるに心づきて、其名を問へば、鋸草のこぎりさうなりといふに、少女の風流思ひやられて、句一つ読みたれども難あれば載せず。
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
「里老の傳説に往昔むかし西宮に百太夫といふもの木偶にんぎやうを携へ淡路に來り、此村の麻績堂をうみだうに長く寄宿せり。時に此村の木偶師にんぎやうし菊太夫なるもの百太夫を伴ひ歸り留ける内、菊太夫が娘に契りて懷胎す。」
此奴が仕末におへねえあまで、ちひさい頃から、親も兄弟もなく、野原で育つた、丸でけだものといくらも変らねえと云ふ話で、何でも重右衛門(嫌疑者の名)が飯綱原いひつなはらで始めて春情いゝことを教へたとかいふんで
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
ふるはしアノ白々しら/″\しいといふとき長庵は顏色がんしよくかへて五十兩には何事ぞや拙者はさらおぼえなき大金を拙者に渡したなどとは途方とはうなき事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
校友の控所にてられたる階上の一室には、盛装せる丸髷まるまげ束髪そくはつのいろ/\居並びて、立てこめられたる空気の、きぬの香にかをりて百花咲ききそふ春ともいふべかりける
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
山半やまのなかば老樹らうじゆえだをつらねなかばより上は岩石がんぜき畳々でふ/\として其形そのかたち竜躍りようをどり虎怒とらいかるがごとく奇々怪々きゝくわい/\いふべからず。ふもとの左右に渓川たにがはありがつしてたきをなす、絶景ぜつけいいふべからず。ひでりの時此滝壺たきつぼあまこひすればかならずしるしあり。
あはしては百年めといふ者サアなにも彼も決然きつぱりと男らしく言て仕舞しまへいふにぞ段右衞門コレ汝ぢは跡方あとかたないこしらへ事を言かけ我につみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
梅子さんの結婚談も愈々いよ/\進んで、伊藤侯が媒介者となられ、近日中に式を挙げらるゝさうだと、大威張にいふぢやありませんか、私には如何どうしても解らないのです、相手が松島様で
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)