田植たうゑ)” の例文
みなみいへではすこしばかり養蠶やうさんをしたので百姓ひやくしやう仕事しごとすべ手後ておくれにつたのであつた。村落むら大抵たいてい田植たうゑをはけたのであわてゝ大勢おほぜいやとうた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
わたしはこの国の娘のやうに、あなた様のお姿をき上げました。しかもこれは御覧の通り、田植たうゑ装束しやうぞくでございます。けれども円光ゑんくわうがございますから、世の常の女人によにんとは思はれますまい。
わが散文詩 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
おほどかに水張りて光てりかへし田植たうゑは今にはじまるらむか
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
義母おつかさん田植たうゑさかんですね。』
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
「なあに、がためるところけてせえけば大丈夫でえぢやうぶなものさ、田植たうゑまでるやうににはめてくのよ」亭主ていしゆ自分じぶんわん牛蒡ごぼうはさんでいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
さうすると百姓ひやくしやうのやうにどろ/\と往來わうらいつちをもねてうまともどろまみれながら田植たうゑにのみ屈託くつたくする。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)