歴然あり/\)” の例文
文章の点は如何どうかと思ふが、内容から言ふと紅葉氏より、良い。……青春を読むと、歴然あり/\と明治現代の青年男女の傾向が見えて来るではないか。
未亡人と人道問題 (新字旧仮名) / 二葉亭四迷(著)
みづつて、さつあみ乗出のりだしてひろげたなかへ、天守てんしゆかげが、かべ仄白ほのじろえるまで、三重さんぢうあたりをこずゑかこまれながら、歴然あり/\うつつてた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ときはい、かげが、じやうぬま歴然あり/\うつつて、そら真黒まつくろつたとふだ。……それ真個ほんとううかわからねども、お天守てんしゆむねは、今以いまもつてあきらかにうつるだね。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ことがけを、うへはうへ、いゝ塩梅あんばいうねつた様子やうすが、とんだものにつていなり、およくらゐ胴中どうなか長虫ながむしがとおもふと、かしらくさかくしてつきあかりに歴然あり/\とそれ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
われ想像さうざうつて、見惚みとれたたまはだえせなかとほして、坊主ばうずくろ法衣ころもうつる、とみづなか天守てんしゆうつばり釣下つりさげられた、姿すがたけものおそふ、おもかげ歴然あり/\た。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なみだはらつて——唯今たゞいま鸚鵡あうむこゑは、わたくし日本につぽん吹流ふきながされて、うしたります、船出ふなで夜中よなかに、歴然あり/\きました……十二一重じふにひとへはかまさせられた
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
それは、其處そこに、はなしをする按摩あんま背後うしろて、をりからかほそむけたをんなが、衣服きものも、おびも、まさしく、歴然あり/\と、言葉通ことばどほりにうつつたためばかりではない。——
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
しかし目前まのあたり歴然あり/\二人ふたりたのは、何時いつつてもわすれぬ。
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)