數時間すうじかん)” の例文
新字:数時間
かれいまから數時間すうじかんのちまた年中ねんぢゆう行事ぎやうじのうちで、もつとひとこゝろあらたにすべく仕組しくまれた景物けいぶつ出逢であはなければならなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
すくなくとも、さうしてちついて宴會えんかいひら數時間すうじかんぜんまでは、みんな苦勞くろうして、かやをあつめてゐたのです。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
はるからなつにかけてやまゆきえたころが、この山火事やまかじ一番いちばんおほときで、煙草たばこがらや、たきをしたひとのちよっとした不注意ふちゆういで、百年ひやくねんかゝつて出來上できあがつた森林しんりん數時間すうじかんもたゝないあひだ
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
かれもつとこのところ書物しよもつは、歴史れきし哲學てつがくで、醫學上いがくじやう書物しよもつは、たゞ醫者ヴラーチ』とふ一雜誌ざつしつてゐるのにぎぬ。讀書どくしよ爲初しはじめるといつ數時間すうじかん續樣つゞけさまむのであるが、すこしもれで疲勞つかれぬ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
かくて、數時間すうじかんたりしのち身邊あたり人聲ひとごゑさわがしきに、旅僧たびそうゆめやぶられて、ればかはやすあきそらの、何時いつしか一面いちめん掻曇かきくもりて、暗澹あんたんたるくもかたちの、すさまじき飛天夜叉ひてんやしやごときが縱横無盡じうわうむじん𢌞まはるは
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)