“引払”のいろいろな読み方と例文
旧字:引拂
読み方割合
ひっぱら28.6%
ひきはら21.4%
ひっぱた21.4%
ひッぱら14.3%
ひつぱら7.1%
ひツぱた7.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
当の狙われた若い妓は、はッと顔を背けたので、笹葉は片頬かたほ外れに肩へすべって、手を払って、持ったのを引払ひっぱらわれて、飴の鳥はくしゃん、とつぶれる。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
で、そう事が解って見ると、私は猶々なおなお怖く恐しく感じて、とてもここに長居する気がないから、其日そのひうち早々そうそうここを引払ひきはらって、再び倫敦ロンドン逃帰にげかえる。
画工と幽霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
蝙蝠こうもり引払ひっぱたいていたさおほうり出して、うちへ飛込んだ、そのうれしさッたらなかった。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
諾来よしきた、と頼まれて、紙入を隠してやったのが暴露ばれたんで、掏摸の同類だ、とか何とか云って、旦那方の交際つきええが面倒臭くなったから、引払ひッぱらって駈落だとね。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あららかに引払ひつぱらひて、寄らんとするひまもあらせず摩脱すりぬくるより足をはやめて津守坂つのかみざか驀直ましぐらに下りたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
さはつたところだけはしましてもいたみませぬ、竹箒たけばうき引払ひツぱたいては八ぱうちらばつて体中からだぢうたかられてはそれしのげませぬ即死そくしでございますがと、微笑ほゝゑんでひかへる無理むりにぎつてもらひ、つか/\とくと
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)