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孱弱
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かよわ
ふりがな文庫
“
孱弱
(
かよわ
)” の例文
「一日も早くというて、それが今年か来年のことか。ここの
年季
(
ねんき
)
は丸六年、わたしのような
孱弱
(
かよわ
)
い者は、いつ煩ろうていつ死ぬやら」
鳥辺山心中
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
年紀
(
としのころ
)
は二十七八なるべきか。やや
孱弱
(
かよわ
)
なる
短躯
(
こづくり
)
の男なり。
頻
(
しきり
)
に
左視右胆
(
とみかうみ
)
すれども、
明々地
(
あからさま
)
ならぬ
面貌
(
おもて
)
は
定
(
さだ
)
かに認め難かり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
視れば我が子を除いては阿彌陀様より他に親しい者も無かるべき
孱弱
(
かよわ
)
き婆のあはれにて、我清吉を突き放さば身は腰弱弓の
弦
(
つる
)
に断れられし心地して
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
……かなしや/\、
此身
(
このみ
)
のやうな
孱弱
(
かよわ
)
い
者
(
もの
)
を
天
(
てん
)
までが
陰謀
(
たくら
)
んで
責
(
せ
)
めさいなむ!……これ、
乳母
(
うば
)
、どうせう?
嬉
(
うれ
)
しいことを
言
(
い
)
うてたも。
何
(
なん
)
ぞ
慰
(
なぐさ
)
めはないかいの?
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
細卷きの
蝙蝠傘
(
かうもりがさ
)
の
尖端
(
さき
)
で、白く
孱弱
(
かよわ
)
い嫁菜の花をちよい/\
突
(
つゝ
)
ついてゐた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
▼ もっと見る
あの
孱弱
(
かよわ
)
い少女の一身を
賭
(
と
)
して澎湃たる世の濁流中に漕ぎ出したと。
姉妹
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
薄らかに紅く
孱弱
(
かよわ
)
し鳳仙花
人力車
(
じんりき
)
の輪にちるはいそがし
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
手伝っているんですが、どっちかというと
孱弱
(
かよわ
)
い方で、米屋のような力仕事には不向きなので、遊び半分にぶらぶらしているようでした
半七捕物帳:34 雷獣と蛇
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
さりながら、何程思続け候とても、水を
覓
(
もと
)
めて
逾
(
いよい
)
よ
焔
(
ほのほ
)
に
燃
(
や
)
かれ候に
等
(
ひとし
)
き
苦艱
(
くげん
)
の募り候のみにて、いつ
此責
(
このせめ
)
を
免
(
のが
)
るるともなく
存
(
ながら
)
へ
候
(
さふらふ
)
は、
孱弱
(
かよわ
)
き女の身には
余
(
あまり
)
に余に
難忍
(
しのびがた
)
き事に御座候。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
美徳
(
びとく
)
も
法
(
はふ
)
を
誤
(
あやま
)
れば
惡徳
(
あくとく
)
と
化
(
くわ
)
し、
惡徳
(
あくとく
)
も
用處
(
ようしょ
)
を
得
(
え
)
て
威嚴
(
ゐげん
)
を
生
(
しゃう
)
ず。
此
(
この
)
孱弱
(
かよわ
)
い、
幼稚
(
いとけな
)
い
蕚
(
はなぶさ
)
の
裡
(
うち
)
に
毒
(
どく
)
も
宿
(
よど
)
れば
藥力
(
やくりき
)
もある、
嗅
(
か
)
いでは
身體中
(
からだぢゅう
)
を
慰
(
なぐさ
)
むれども、
嘗
(
な
)
むるときは
心臟
(
しんざう
)
と
共
(
とも
)
に五
官
(
くわん
)
を
殺
(
ころ
)
す。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
孱弱
(
かよわ
)
く疲れていざり寄るもの
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
おかんは
赫
(
かっ
)
となって男の喉をしめた。
在所
(
ざいしょ
)
生まれで、ふだんから
小力
(
こぢから
)
のある彼女が、半狂乱の力任せに絞めつけたので、
孱弱
(
かよわ
)
い男はそのままに息がとまってしまった。
半七捕物帳:34 雷獣と蛇
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
積って見ても知れる筈であるのに、何が不足でこの播磨を疑ったと、彼は物狂わしいほどに
哮
(
たけ
)
り立って、力任せに
孱弱
(
かよわ
)
い女を
引摺
(
ひきず
)
り廻してむごたらしく責めさいなんだ。
番町皿屋敷
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
孱弱
(
かよわ
)
い
女子
(
おなご
)
が群がる犬に取り巻かれている。それが見ず識らずの人であっても見過ごすことは出来ないのに、まして相手は玉藻であるらしいので、千枝太郎の胸は
跳
(
おど
)
った。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
清吉も近来はよほど丈夫になったと人も云い、自分もそう信じているのですが、土台の体格が
孱弱
(
かよわ
)
く出来ているのですから、
迚
(
とて
)
も刺青などという
荒行
(
あらぎょう
)
の出来る身体ではない。
三浦老人昔話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
こんな
孱弱
(
かよわ
)
いからだに朱や墨を
注
(
さ
)
すのは、毒を注すようなものだと思ったが、当人は死んでも構わないと駄々を捏ねているのですから、この上にもうなんとも云いようがない。
三浦老人昔話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
獣のような重太郎と
相対
(
あいたい
)
しているお葉は、
頗
(
すこぶ
)
る危険の位置にあると云わねばならぬ。
彼
(
かれ
)
の
情
(
じょう
)
が激して一旦
其
(
そ
)
の野性を発揮したら、
孱弱
(
かよわ
)
い女に対して
何
(
ど
)
んな乱暴を
敢
(
あえて
)
せぬとも限らぬ。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
あれと云う間に、
孱弱
(
かよわ
)
い冬子は落葉の上に
捻倒
(
ねじたお
)
されると、お葉は
乗
(
の
)
し
掛
(
かか
)
って
其
(
そ
)
の
庇髪
(
ひさしがみ
)
を掴んだ。七兵衛は
胆
(
きも
)
を潰して、
直
(
すぐ
)
に
背後
(
うしろ
)
から抱き
縮
(
すく
)
めたが、お葉は一旦掴んだ髪を放さなかった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
孱
漢検1級
部首:⼦
12画
弱
常用漢字
小2
部首:⼸
10画
“孱弱”で始まる語句
孱弱矢