コレ)” の例文
京の年よりにもあつたし、田舎の村々では、コレを言ひ立てに、ちつとでも、石城を残して置かうと争うた人々が、多かつたのである。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
弦ヲクニ二法アリ、無名指ト中指ニテ大指ヲ圧シ、指頭ヲ弦ノ直堅チヨクケンに当ツ! コレヲ中国ノ射法トフ! 正次の射法はこれであった。
弓道中祖伝 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
坐シテ道ヲ論ズコレヲ三公ト言イ、ッテ之ヲ行ウヲ士大夫シタイフウ——と古人が申したのもその理ではございますまいか
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
スナワチ金博士は、今度ヒソカニ感ズルトコロアリテ、永年ニワタル秘密ノ一部ヲ告白コクハクスルト共ニ、コレニサシサワリアルムキニ対シ警告ヲ発スル次第ナリ。
巧言令色足恭コウゲンレイショクスウキョウウラミカクシテノ人ヲ友トスルハ、丘コレヅ とか、生ヲ求メテモッテ仁ヲ害スルナク身ヲ殺シテ以テ仁ヲ成スアリ とか、狂者ハ進ンデ取リ狷者ケンジャサザル所アリ とかいうのが
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
コレに似た驚きの経験は曽て一度したことがあつた。姫は今ソレを思ひ起して居る。簡素と豪奢ガウシヤとの違ひこそあれ、驚きの歓喜は、印象深く残つてゐる。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
レ、仏日没ストイエドモ、余輝ヨキ未ダ隠レズ、法水ホウスイ乾クト雖モ、遺潤イジュンナオ存セリ。吾等、コレニヨリテ毒酔ドクスイヲサマシ、之ニヨリテ覚芽カクガキザス。アニサイワイニアラズヤ。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼ノ欲スルママニ如何ナル物品生物ニモ変ゼシメル力ヲ与エ給エリ、タダシソレニハ一ツノ条件ガアッテ毎朝午前六時ニハ必ズ起キ出デテ呪文ヲ三度唱ウルコトコレナリ。
軍用鼠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
一、文ヲ論ジ事ヲ考フルニ各〻力ヲツクシ、モシ他ヲバクス所アラバ、虚心キヨシンコレヲ議シテ独見ヲルナカレ
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さうして年々トシドシ頻繁に、氏神其外ソノホカの神々を祭つてゐる。其度毎ソノタビゴトに、家の語部カタリベ大伴カタリミヤツコオムナたちを呼んで、コレツカマドコロもない昔代ムカシヨの物語りをさせて、氏人ウヂビトに傾聴をひて居る。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
一、書策ハツツシンコレ汚穢オエ紛失フンシツスベカラズ
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
越後三徳流後学コウガク村上能登守ノトノカミコレヒラク
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)