“じぎ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ジギ
語句割合
辞儀27.0%
叩頭14.0%
時宜12.6%
児戯11.7%
時儀8.1%
辭儀7.7%
低頭5.0%
字義2.3%
辞義2.3%
辞誼2.3%
辞宜1.4%
事宜0.9%
事義0.5%
叩儀0.5%
挨拶0.5%
時宣0.5%
時誼0.5%
点頭0.5%
答礼0.5%
辞退0.5%
辭宜0.5%
辭氣0.5%
辭義0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その時みんなの頭の上をまっ黒な大きな大きなものがゴーゴーゴーとえて通りかかりました。ひとではあわててみんなお辞儀じぎをしました。
双子の星 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
森は二歩ふたあし三歩前へ進み、母を始め姉や娘に向ッて、慇懃いんぎんに挨拶をして、それから平蜘蛛ひらくものごとく叩頭じぎをしている勘左衛門に向い,
初恋 (新字新仮名) / 矢崎嵯峨の舎(著)
お母あ様程には、秀麿の健康状態に就いて悲観していない父の子爵が、いつだったか食事の時息子を顧みて、「一肚皮いちとひ時宜じぎに合わずかな」
かのように (新字新仮名) / 森鴎外(著)
実際、彼女のすることはさし出がましく、児戯じぎにひとしく、女らしくもなかった。私は、彼女を大いに責めてもいいと思っている。
それがすむと、先生たちが出口に立って紙に包んだ菓子を生徒に一人一人わけてやる。生徒はにこにこして、お時儀じぎをしてそれを受け取った。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
はなるゝはかなしけれど是も修行しゆぎやうなれば決して御案おあんじ下さるなとて空々敷そら/″\しく辭儀じぎをなし一先感應院へ歸り下男げなん善助に向ひ明朝あした早く出立すれば何卒握飯にぎりめし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
何か言うのかと思うと、手を口のところへ持って行って、口びるをでた。言葉をったような具合だ。黙り込んで曖昧あいまいなお低頭じぎをした。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
越後の紵商人をあきんどかの国々にいたりてをもとめて国にる、を此国にてもそといふは古言こげん也。あさを古言にそといひしは綜麻へそのるゐ也。あさ字義じぎはおなじくぬのおるべきれうの糸をいふ也。
御免なされとふすま越しのやさしき声に胸ときめき、かけた欠伸あくびを半分みて何とも知れぬ返辞をすれば、唐紙からかみする/\と開き丁寧ていねい辞義じぎして
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
例をいへば子供が他人に対して、辞誼じぎをするといふ事を初めとして、来客にはどういふ風に応接すべきものであるかといふ事などは、親が教へてやらなくてはならぬ。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
と千吉君はよんどころなかった。この際辞宜じぎするのは長者に対する礼でないと考えたのである。牧野さんは又々芸者の扇子を塗り始めたが、朱竹を描いて貰ったという米沢君は
好人物 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
武江遊観志略ゆうかんしりゃくを見ると、その三月事宜じぎこうに——。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
かけきしにいままへてもふがかなしき事義じぎりぬじようさまの御恩ごおん泰山たいざんたかきもものかずかはよしや蒼海そうかいたま
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
手早くお叩儀じぎをした。
雛妓 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
兄様あんまが、逐々ありありて戻り来しぞ。のう、おむがしやのう。……まず、久々の挨拶じぎをなされ。兄様あんま、お身もお君になんぞ話をしてやってたもい。
生霊 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
これは、注文者がもし素人しろうと数寄者すきしゃとでもいうのであれば、あるいはそうすることも時宣じぎってかまわぬことでもあろうが、若井氏は商売人である。
次のの——がけの草のすぐ覗く——竹簀子たけすのこ濡縁ぬれえんに、むこうむきに端居はしいして……いま私の入った時、一度ていねいに、お時誼じぎをしたまま、うしろ姿で、ちらりと赤い小さなもの
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼は例の通り当惑しながら、ちょいと挨拶あいさつ点頭じぎを送った。娘は水甕を頭へ載せながら、眼でその挨拶に答えると、仲間の女たちのあとを追って、やはりくぎくような燕の中を歩き出した。
素戔嗚尊 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
わざわざ立って突着けた、椅子のへりは、たもとに触れて、その片袖を動かしたけれども、お妙は規則正しいお答礼じぎをしただけで、元の横向きに立っている。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「おや、生意気。……お辞退じぎをすることを覚えたのかい。……まあ、ちょっと、待っていなさい」
キャラコさん:06 ぬすびと (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
頼んで來た夫故それゆゑ此樣こんなおそくなり其上空腹ひだるくもありモウ/\わきの下から冷汗ひやあせが出るはやく飯をくはせくれよと云ながら内へ這入はひり長兵衞を見てるさうにコレハと云しのみにて辭宜じぎをなせば長兵衞は苦笑にがわらひを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ひどくよわつてるやうだなと見知みしりの臺屋だいやとがめられしほどなりしが、父親ちゝおやはお辭氣じぎてつとて目上めうへひとつむりをあげたことなく廓内なか旦那だんなはずとものこと
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あゝくお辭義じぎをしてもらつてた、これはきく鬼姉おにねへさんがれたのとふ、はゝ顏色かほいろをかへて圖太づぶとやつめがれほどのふちんでだいぢめかたりぬとおもふか
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)