“まげ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
88.7%
円髷3.3%
丸髷1.5%
圓髷1.5%
1.5%
1.2%
0.6%
0.3%
曲入0.3%
馬毛0.3%
0.3%
髷節0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
女たちはすべて無言で、二人のまげを解き、汗が出てくると、その柔らかい手で、全身の皮膚を巧みに擦りながら、垢をみおとした。
山彦乙女 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
ね、ただ、おぐし円髷まげの青い手絡てがらばかり、天と山との間へ、青い星が宿ったように、晃々きらきらと光って見えたんですって。
やや傾けたる丸髷まげかざりの中差の、鼈甲べっこうの色たらたらと、打向う、洋燈ランプの光透通って、かんばせの月も映ろうばかり。この美人たおやめは、秋山氏、蔦子つたこという、同姓たもつの令夫人。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
土手どてかすみれんとして、さくらあかるきめぐりあたり、あたらしき五大力ごだいりきふなばたたかくすぐれたるに、衣紋えもんおび差向さしむかへる、二人ふたりをんなありけり、一人ひとり高尚かうしやう圓髷まげゆひ、一人ひとり島田しまだつやゝかなり
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
致すべき者にあらず是には何かわけの有べき事なりもし吉三郎盜みしにもせよむすめきく云號いひなづけなれば此方のむこなり是を訴へんは此方こなたはぢならずやまげて容し給へとのべけるを利兵衞少しも聞き入ず何を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
試験所前のまげものや折箱おりばここしらえる手工業を稼業かぎょうとする家のはなれの小座敷ざしきを借りて寝起きをして、昼は試験所に通い、夕飯後は市中へ行って、ビールを飲んだり
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
助「わしはこれまげがありますから、髪もって来ましょうかねえ」
ふたたび家を東京にうつすに及び、先生ただちにまげられ、いわるるよう、鄙意ひい、君が何事か不慮ふりょさいあらん時には、一臂いっぴの力を出し扶助ふじょせんと思いりしが
腸窒扶斯ちょうチフスかかりたるとき、先生、とくまげられ、枕辺まくらべにて厚く家人に看護かんご心得こころえさとされ、その上、予がみずからきたる精米せいまいあり、これは極古米ごくこまいにして味軽く滋養じようも多ければ
「もう可いからお泣きでない。通貨なまが無いからそれを曲入まげて、人身御供ひとみごくうを下げておいで、仁三が何か言句もんくをいおう。謂ったら私の名をいいな。」薄着になりしなさけの厚さ。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
机の曳出しはひき抜いて床へ投げだし、ベッドの毛布団はメスで縦横に切り裂かれ、馬毛まげの詰めものの間からスプリングが飛びだしている。
ノア (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「八、皆んな呼んで來るが宜い。この吊臺の中に無かつたら——武士なら腹を切るところだが、俺はそんな痛いことが嫌ひだから、せめてまげでも切つてお詫をしようぢやないか」
二人はそんな事を話しながらブラリブラリと神田へ——赤トンボが八五郎の野暮な髷節まげをかすめてスイスイと飛びます。
丸味を帯びた細い眉、切長で涼しくて軟らか味のある眼、少し間延びをしているほど、長くて細くて高い鼻、ただしまげだけは刷毛先はけさきを散らし、豪勢いなせに作ってはいるが、それがちっとも似合わない。
前記天満焼 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)