“すり”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:スリ
語句割合
掏摸64.1%
磨7.1%
摺6.4%
擦3.8%
掏賊3.2%
刷3.2%
攫徒2.6%
掏児1.9%
掬摸1.3%
攫客1.3%
賊0.6%
修理0.6%
剪児0.6%
剪兒0.6%
掏兒0.6%
掏模0.6%
摩0.6%
摸摸0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その開卷に旅客心得として、江湖十二則を掲げてあるが、概して盜賊・放馬(おひはぎ)・欺騙(かたり)・掏摸(すり)・拐騙(もちにげ)・偸換(すりかへ)等に對する注意に過ぎぬ。
支那人の妥協性と猜疑心 (旧字旧仮名) / 桑原隲蔵(著)
磨(すり)硝子めく明るい霧の底に、四方の風景が白つぽく淀んでゐる。昨夕から引續いて、風は少しも無い。四邊の白さの底に何か暖いほんのりしたものさへ感じられる。
かめれおん日記 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
その時気がついたんだが彼の背広はあちこち摺(すり)切れていて、今日はカラアも着けていなかった。この前は血走っていたが今日の眼は青く澄んでいる。
蜆 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
「これが一番大きくって心持がいいでしょう」と云った下女は、津田のために擦(すり)硝子の篏(はま)った戸をがらがらと開けてくれた。中には誰もいなかった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ことの起原(おこり)といふのは、醉漢(ゑひどれ)でも、喧嘩(けんくわ)でもない、意趣斬(いしゆぎり)でも、竊盜(せつたう)でも、掏賊(すり)でもない。六(むつ)ツばかりの可愛(かはい)いのが迷兒(まひご)になつた。
迷子 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
書肆(ほんや)からは頻々(ひんぴん)と矢の催促をうけるので、版木彫(はんぎぼり)と刷(すり)をひき請(う)けている彫兼(ほりかね)の親爺(おやじ)はきょうも、絵師の喜多川春作の家へ来て、画室に坐りこんでいた。
魚紋 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大分、もう売って行ってほとんど出盛りのテッペンと思う頃、仕事をしに入り込んでいた攫徒(すり)の連中が、ちょうど私たちの店の前で喧嘩(けんか)を始めた。
掏児(すり)に取られた体(てい)にして届け出よう、そう為ようと考がえた、すると嫌疑(けんぎ)が自分にかかり、自分は拘引される、お政と助は拘引中に病死するなど又々浅ましい方に空想が移つる。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
掬摸(すり)、窃盗(しのび)……悪事ときたら何でもござれの、デパートみたいな男であったが、これも亡くなった父親に助けられたのを徳として、フッツリと悪の道を絶って
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
さりとも知(し)らぬミハイル、アウエリヤヌイチは、大得意(だいとくい)で、仏蘭西(フランス)は早晩(そうばん)独逸(ドイツ)を破(やぶ)ってしまうだろうとか、モスクワには攫客(すり)が多(おお)いとか、馬(うま)は見掛(みかけ)ばかりでは、その真価(しんか)は解(わか)らぬものであるとか。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
美人だと思いながら、それほどたいして気にとめるでもなくすれ違ったのであったが、懐を探(さぐ)って見ると財布がなくなっている。さては今の女が賊(すり)であったのかと驚いたという句である。
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
逢ひ見しは女の賊(すり)や朧月(おぼろづき) 太祇(たいぎ)
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
鳥羽殿(とばどの)白河殿(しらかわどの)なども修理(すり)せさせ給(たま)ひて常にわたりすませ給へど猶(なお)又水無瀬といふ所にえもいはずおもしろき院づくりしてしば/\通ひおはしましつゝ春秋の花もみぢにつけても御心ゆくかぎり世を
蘆刈 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
人山きづくが中に忌(いま)はしき疑(うたがひ)を受けつ、口をしや剪児(すり)よ盗人と万人にわめかれし事もありき。
琴の音 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
人山きづくが中に忌はしき疑(うたがひ)を受けつ、口をしや剪兒(すり)よ盜人と萬人にわめかれし事もありき。
琴の音 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
次手(ついで)にとぼけたのがある。江戸(えど)の掏兒(すり)は、人(ひと)の下駄(げた)を脱(ぬ)がすと聞(き)くが、唐人(たうじん)だけに穿(は)いて居(ゐ)る靴(くつ)を脱(ぬ)がされて、剩(あまつさ)へ屋根(やね)へ上(あ)げられた、と云(い)ふのが一(ひと)つ。
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
江戸の盗賊や掏模(すり)やけいず買いどもが集まる、今日の暗やみ市を機会に、一網打尽、大がかりな手入れをやる気組(きぐみ)らしいのであります。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
早春の斜陽がガラス戸越しに差し入り、白い原稿用紙の上に、摩(すり)ガラスの模様を映している。ガラス障子は真中を開いておくので、まだ羽虫の群れが跳ねているのが見えている。
澪標 (新字新仮名) / 外村繁(著)
翌日(よくじつ)の新聞(しんぶん)には、此(こ)の闇(やみ)の中(なか)に摸摸(すり)が何人(なんにん)とやら入(い)り込(こ)んで、何々(なに/\)の品(しな)が盗(ぬす)まれたとのことを挙(あ)げて、盛(さかん)に会社(くわいしや)の不行届(ふゆきとどき)を攻撃(こうげき)したのがあつた。
検疫と荷物検査 (新字旧仮名) / 杉村楚人冠(著)