海の霧うみのきり
波の上に夜が落ちる。海に沿ふた甃の路に靄の深い街燈の薄明り、夜の暗色と一緒に、噎つぽい磯の匂ひが、急にモヤモヤした液体のやうに、灯のある周囲に浮きながら流れはじめる。ときどき、外国の船員が、影と言葉を置き去りにして、闇の中へ沈没しながら紛れ …
作品に特徴的な語句
いろ うなじ 骰子ダイス 一瞬ときのま 空洞カラッポ 船員マドロス 虚構みせかけ 語彙ボキャブラリイ 親方マスタア 識別みさかい 身動みじろぎ むす 徒事ただごと しずく 饒舌しゃべり 太洋わたつみ たゆ 顔貌かおつき 瞬間とき どぶ あかり 海風うみかぜ 瞿曇こども いし 稚児おさなご 航跡ウエーキ 欄干てすり 霖雨ながあめ 孤独ひとり よる むせ 何故なにゆえ 乾涸ひか 衣嚢かくし がま こぼ 誰何すいか 跫音あしおと 銅羅どら 齲歯むしば かしら 顳顬こめかみ かび 一塊ひとかたまり 欠伸あくび 一条ひとすじ 一瞬ひととき 三月みつき 何故なぜ ぬす 周囲まわり 夜毎よごと 息差いきざし 扼腕やくわん 最早もはや 機勢はずみ ひび 汚点しみ 深深ふかぶか うしお おわ 真昼まひる 空洞うつろ やつ 紅紅あかあか もつ