“稚児”のいろいろな読み方と例文
旧字:稚兒
読み方割合
ちご81.4%
おさなご13.6%
をさなご3.4%
ちじ1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
子供たちは綿菓子わたがしべながら、稚児ちごさんが二つの扇を、眼にもとまらぬ速さでまわしながら、舞台の上で舞うのを見ていました。
(新字新仮名) / 新美南吉(著)
続いて黄金丸も垣を越え、家の中を走り抜けんとせし時。六才むつばかりなる稚児おさなごの、余念なく遊びゐたるを、過失あやまちて蹴倒せば、たちまわっと泣き叫ぶ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
唯何事も夢まぼろし、世に時めきて栄ゆるも虚空に躍る水珠の、日光により七彩を暫く放つに異ならず、身を狭められ悶ゆるも闇夜を辿る稚児をさなごの、樹影を認めて百鬼来たりと急に叫ぶが如くなれば
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
婚姻こんいんと死とはわずかに邦語を談ずるを得るの稚児ちじより、墳墓に近づくまで、人間の常に口にする所なりとは、エマルソンの至言なり。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)