“甃”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いしだたみ63.0%
いし7.4%
たた7.4%
たゝ3.7%
いしだだみ3.7%
3.7%
しう3.7%
しきいし3.7%
たたき3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この芝生の上にやはり乳白な大理石のいしだたみを敷いて、両側におばしまを立てた美しい遊歩道がうねうねと曲折しながら続いているのです。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
海に沿ふたいしの路に靄の深い街燈の薄明り、夜の暗色と一緒に、むせつぽい磯の匂ひが、急にモヤモヤした液体のやうに、灯のある周囲まわりに浮きながら流れはじめる。
海の霧 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
庭には大きな泉水を掘り、向うの小山を其まゝ庭にして、蘇鉄そてつを植えたり、石段をたたんだり、石燈籠を据えたりしてある。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
庭ごとに石にてたゝみたる井ありしが、家々の壁と井との間をば、人ひとり僅かに通らるゝほどなれば、我は上より覗きて、二つの井の内を見るのみなりき。
いしだだみに伏して、頭を床に摺り付けて号泣しているのであります。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
車は平坦な甃石路いししきみちを走りだした。石をいた平坦な路は郊外にはあまりないので、城内だろうかと思ったが何しろ扉が締っているので解らなかった。
賈后と小吏 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
此碑は良郷りやうきやうより宛平県に、宛平県より順天府に入つて、信国祠しんこくしの壁にしうせられてゐるさうである。其拓本の種類等はこれをつまびらかにしない。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
龍宮みたいな南京人のお宮では南京のお婆さんがしきいしのうへへ石ころを落してはなにか祈つてゐた。
銀の匙 (新字旧仮名) / 中勘助(著)
火山の作った敷石やたたきのあるおかげであることを、忘れてはならぬ。
日本山岳景の特色 (新字新仮名) / 小島烏水(著)