“たたき”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タタキ
語句割合
三和土76.5%
4.4%
敲土4.4%
和土2.9%
混凝土2.9%
合土1.5%
凝固土1.5%
強盗1.5%
漆喰1.5%
1.5%
石畳1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
玄関の三和土たたきに足がかりを失って、右左によろめいたのをきっかけに、頭の中もふらついて、眼の前のものがごっちゃになった。
白日夢 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
主人は格子戸かうしどの中のたたきの上に、今帰つた客の靴を直す為めに、据ゑてある根府川石ねぶかはいしの上から、わきへいざらせたらしい千代田草履ざうりのあるのに目を着けて、背後うしろひざいてゐる女中をかへり見て問うた。
魔睡 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
居間の床は全体が粘土の敲土たたきで、滑らかに塗り固めてある。
小使にくっついて行くと四つ角を曲がって和土たたきの廊下を下へ降りた。世界が急に暗くなる。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
湖水のように見える、混凝土たたきの舟待ちには、街灯が一つ長い影を引いている。
地虫 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
格子こうしから差す戸外そとの日影を背に受けて、薄暗く高い身を、合土たたきの真中に動かしもせず、しきりに杖を鳴らしている。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
甲野こうのさんは玄関を右に切れて、下駄箱のいて見える格子こうしをそろりと明けた。細いつえの先で合土たたきの上をこちこちたたいて立っている。頼むとも何とも云わぬ。無論応ずるものはない。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いかにも前史的なヤニ羊歯しだが二基あって、その大きな垂葉を潜って凝固土たたきの上に下りると、前面には、熱帯植物特有の——たっぷり樹液でも含んでいそうな青黒い葉が、重たそうに繁り冠さり合い
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「手前は手弄てなぐさみばかりかと思ったら、いつの間に娘師や強盗たたきの真似をするようになったんだ」
入口が漆喰たたきで、いきなり三畳。次が、五畳半に八畳六畳という妙な間取り。その奥が勝手になって、裏口から露路へ出られるようになっている。
顎十郎捕物帳:06 三人目 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
火山の作った敷石やたたきのあるおかげであることを、忘れてはならぬ。
日本山岳景の特色 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
コップは石畳たたきに砕け、細片はギラギラと鋭角的な光を投げて転がった。……ころんころんころんと部屋の隅まで転がって行く破片かけらのシツッコさ……
古傷 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)