“海風”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かいふう64.3%
うみかぜ35.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
唱一語しやういちご以てわがこの思ひを言ひあらはさむすべもがな。かくて月あかき一夜、海風かいふうに向ひて長くうそぶかなむ。わが胸のいかばかりかるかるべき。
清見寺の鐘声 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
いまとほからず橄欖島かんらんたうのほとりで櫻木大佐さくらぎたいさ對面たいめんし、それより本艦ほんかん」と櫻木大佐さくらぎたいさ電光艇でんくわうていとが舳艫じくろあひならんで颯々さつ/\たる海風かいふう帝國軍艦旗ていこくぐんかんきひるがへしつゝやが
海は紺碧の色をして、とろりと微睡まどろんでいる。濡れた肌にほどよく海風うみかぜが吹きつけ、思わずうっとりとなる。どうも、これは退屈だ。
キャラコさん:07 海の刷画 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
一塊ひとかたまりづつ散つてしまふ、一人立ち去るその度に、広い海に囲まれて白々と鈍く輝やく岩壁の背がまるで零れた汚点しみを抜くやう、遠い海風うみかぜに吹き渡られて妙に侘しく漂白されるが
海の霧 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)