紫大納言むらさきだいなごん
昔、花山院の御時、紫の大納言という人があった。贅肉がたまたま人の姿をかりたように、よくふとっていた。すでに五十の齢であったが、音にきこえた色好みには衰えもなく、夜毎におちこちの女に通った。白々明けの戻り道に、きぬぎぬの残り香をなつかしんでい …
作品に特徴的な語句
かんば 天翔あまが いつわり あや えみ 斉明トキアキラ うた おぼ しば やわ はじ 袴垂はかまだ たま 稀有けう はず すが うすもの みなぎ あく 瞑目めいもく にら 皓月こうげつ 百足むかで しび おい 猿臂えんぴ 汗衫かざみ 贅肉ぜいにく 鼻皺はなじわ もち 風靡ふうび 醍醐だいご 酩酊めいてい 郭公かっこう 辿たど 跫音あしおと 脾腹ひばら あきら 誰何すいか いぶか 裳裾もすそ 蝙蝠こうもり きのこ 致忠ムネタダ 却々なかなか いたず みち 巴里パリ 山科やましな ちぎ 天竺てんじく 垣間かいま 咄嗟とっさ くさむら 御覧ごろう 劫火ごうか 几帳きちょう 保輔やすすけ 伽羅きゃら 仰有おっしゃ 仔細しさい また 不愍ふびん おお 河童かっぱ 沁々しみじみ 一掬いっきく 榾柮ほだ 棲家すみか 柳眉りゅうび かさ しぼ あふ おのの 慟哭どうこく いよいよ おび 忽然こつぜん たちま 微塵みじん