“劫火”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ごうか84.2%
ごふくわ15.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
花火のやうに空にひらいて落ちてくる焼夷弾、けれども私には地上の広茫たる劫火ごうかだけが全心的な満足を与へてくれるのであつた。
続戦争と一人の女 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
淡々しいように見えていてその実地獄の劫火ごうかのように身も心も焼き尽くすものは、初恋の人の心である。それを彼は抑えられた。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
遠くの半鐘が鳴つて、近くの人達がつぶてのやうに飛んで來ました。が、火の廻りがそれよりも早く、火消人足が驅けつける前に、家も人も、一瞬にして、劫火ごふくわの餌食になることでせう。
れ真に神を見て信ずるものの信念は、宇宙の中心より挺出ていしゆつして三世十方をおほふ人生の大樹なる乎。生命いのちの枝葉永遠に繁り栄えて、劫火ごふくわも之れをく能はず、劫風も之れをたふす能はず。
予が見神の実験 (新字旧仮名) / 綱島梁川(著)