“慟哭”の読み方と例文
読み方割合
どうこく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なにものももうわたしで終り、なにものももうわたしから始らないのかとおもうと、わたしのなかにすべての慟哭どうこくがむらがってくる。
鎮魂歌 (新字新仮名) / 原民喜(著)
私は大声を放って慟哭どうこくした。私が泣いたのは長男が死んだ時と、昔愛人が死んだ時と、その次がこの猫が死んだ時と、三回だけである。
猫料理 (新字新仮名) / 村松梢風(著)
が、その中でもたつた一人、座敷の隅にうづくまつて、ぴつたり畳にひれ伏した儘、慟哭どうこくの声を洩してゐたのは、正秀せいしうではないかと思はれる。
枯野抄 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)