酒虫しゅちゅう
近年にない暑さである。どこを見ても、泥で固めた家々の屋根瓦が、鉛のやうに鈍く日の光を反射して、その下に懸けてある燕の巣さへ、この塩梅では中にゐる雛や卵を、そのまゝ蒸殺してしまふかと思はれる。まして、畑と云ふ畑は、麻でも黍でも、皆、土いきれに …
作品に特徴的な語句
わづら 生暖なまあつたか いん 地面ぢびた まじなひ わらひ そく しほ いは すなはち なほ せい 頓着とんちやく 丫鬟あくわん 午睡ごすゐ わづか いささか 葱嶺さうれい 一甕いちをう 信施しんぜ りう 勿体もつたい むしろ 屠所としよ 応揚おうやう おそれ 朱柄しゆえ 朱泥しゆでい がう 沙門しやもん 滅多めつた 異形いぎやう さかづき 眩暈めまひ 蚯蚓みゝず 迂濶うくわつ かたみ さへぎ 酒虫しゆちう たゝか 青銅からかね どぜう 黄金きん うち おもかげ なら 僮僕どうぼく 双髩さうびん 口許くちもと うめ 唐突だしぬけ のど 喉仏のどぼとけ つぐ かたまり 塩梅あんばい おびただ 奇古きこ 守宮やもり へや 容子ようす 忌々いまいま 日向ひなた ひでり 昔日せきじつ 暗愚あんぐ 気色けしき 汗所あせどころ 法衣ころも 流石さすが 温気うんき たた 炮烙ほうろく 無暗むやみ つばめ 病閹べうえん まぶた 糟邱そうきう 素焼すやき 細引ほそびき 芬々ふんぷん 莫迦ばか 蒸殺むしころ あぶ 蠕動ぜんどう つく 西域せいいき 覚束おぼつか 覿面てきめん かく 象貌しやうばう 負郭ふくわく すき