鷲津わしづ)” の例文
豊橋も後になり、鷲津わしづより舞坂まいさかにかゝる頃よりは道ようやく海岸に近づきて浜名はまなの湖窓外に青く、右には遠州洋えんしゅうなだようとして天に連なる。
東上記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
幕外の将たちも、こもごもに彼のまえへ来て、鷲津わしづ、丸根の勝軍かちいくさにつづいて、鳴海方面の戦況が、刻々、有利に展開していることを祝した。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
マタ有隣舎ノ主人鷲津わしづ氏ノ事ニツイテ見ルモ彼ハただ遺秉いへいヲ拾ツテ遺サザルノミナラズマタ郷老ノ口碑ニ採ル所多シ。然ルニ我ハわずかニ下谷ナル鷲津氏ノ家人ニ聞キシ所ヲしるシタルニ過ギズ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
あえいで来た兵は、口々に云った。鷲津わしづ、丸根の砦の二つまでが、すでにちた後なので、その丹下もどうあろうかと、案じ来た眉がみな晴れた。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鷲津わしづは、その街道の北側の山地にあり、もう焼かれ尽したか、余燼よじんも力なく、いちめんに野路や海辺を煙らせて見える。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)