鳥入とりいって)” の例文
温い水を背に押し分けて去るあとは、一筋のうねりを見せて、去年のあしを風なきになぶる。甲野さんの日記には鳥入とりいって雲無迹くもにあとなく魚行うおゆいて水有紋みずにもんありと云う一聯が律にも絶句にもならず、そのまま楷書かいしょでかいてある。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)